平屋を増築して二世帯住宅にするシニア世代が増えています。子供が進学や就職で実家を出た後は夫婦2人でのんびりと、結婚や転勤などで実家に帰ってきた時は一緒ににぎやかな暮らしを送る―そんなライフスタイルは魅力的ですが、建て替えたり子供夫婦の家を新しく買ったりするとお金も手間もかかります。
しかし増改築が可能な平屋なら、購入よりリーズナブルにそんな生活が実現できます。ここでは、平屋を増築する時の特徴や注意点についてご紹介します。
家族構成やライフスタイルの変化によって最適な住環境も変わります。部屋数を増やす、庭に納屋や駐車スペースを設けるなど増築を上手く活用すれば、必要に応じて家族構成の変化に柔軟に対応でき快適な住環境が実現します。
建て替えをすると建物の解体と廃棄物を処分する費用がかかる上に、建て替えの工事期間中は仮住まいをする住居の家賃も発生してしまいます。しかし増築なら部分的な解体工事で済みますし、増築の内容によっては住みながら工事を続けることが可能になるケースも。
増築部分と元の家屋の耐久性に差が出たり、つなぎ目(境目)の部分に違いが生じたりするかもしれないので注意が必要です。
自宅の築年数がかなり古い、保存状態が良くないなどの場合は大規模工事になる恐れがあるので、事前に施工業者に相談するなどの対策を。
広々としたリビングで大家族でもゆったりくつろぐ(29坪/3LDKの小さな平屋)
全ての空間を共有しながら生活する「完全同居タイプ」の世帯におすすめの間取りです。42.2㎡のゆとりあるリビング・ダイニングは、夫婦2人暮らしではもちろん、子世帯と一緒にくつろぐことも可能な広さです。リビング・ダイニングの共有は家族全員でのコミュニケーションを深めたい方や、共有スペースの建築費を抑えなるべくリーズナブルにしたいという方、一緒にリビングでくつろぐ、料理を作り食事をするなど光熱費を節約したい方などにもピッタリ。
坪数 | 29坪 | 間取り | 3LDK |
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玄関のみ共有するなら土間スペースがある間取りがおすすめ(29坪/3LDKの小さな平屋)
全ての空間を完全に共有するのではなく、「二世帯でも玄関以外は分けたい」というご家族なら、玄関横に土間スペースがある間取りがおすすめ。二世帯分の靴を置くスペースに困りませんし、ベビーカーや子供の自転車、スキーなどのアウトドア用品、また特定の季節のみに使うグッズなどの収納も可能です。共有は一部分だけなので増築の際に間取りの自由度が上がり、親世帯と子世帯で生活リズムが異なる場合にも便利です。部分的な共有は適度な距離感を保てるので、親・子世帯ともに居心地が良い上に、共有スペースが多いほど建築費用も抑えられます。
坪数 | 29坪 | 間取り | 3LDK |
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ポイントは親・子世代ともに気兼ねなく暮らせるレイアウト。広めに作ったリビング・ダイニングでは家族全員が集まりにぎやかに。作業スペースにゆとりをもたせたキッチンは2人以上で使う時にも快適です。
世帯ごとのプライバシーを重視し、家族が集まるLDKをはさんで親世帯と子世帯のコアスペースを分け、気を遣わず快適に過ごせる間取りに。使い勝手が良く、平屋から将来的にも長く快適に暮らせる二世帯住宅が実現しました。
平屋から2階建てに増築することで、孫の成長を間近で感じられる住まいになりました。玄関ホール奥にあった収納スペースをつぶし階段を設置。また階段下にできた空間にはトイレを新設し、コンパクトで無駄のない間取りを実現しました。
編集部からのひとこと
平屋を増築するメリットは建て替えより安い費用で床面積を増やせること、家族構成の変更に柔軟に対応できることです。二世帯住宅にする場合は居住スペースを完全に分けるのか、リビングやキッチン、お風呂、厳寒などの一部を共有するのか、完全に同居するのかで増築の方法も変わってきます。
完全同居で2階建てにする場合は既設家屋との耐久性・耐震性の差に注意することが必要です。一方、完全分離型の場合は広いスペースと余裕ある建築費用が必要になります。平屋を増築するなら住宅会社としっかり相談・確認をしながらどのケースが最適かを考えましょう。また平屋の増築事例が豊富な住宅会社を選ぶことも重要なポイントです。
小さな平屋が、注目を集める理由とは?